新築だけが選択肢じゃない。リガーデン済み空き家物件という合理的な選択

楓林庭コラム 2025.9.24

こんにちは

『暮らしに本当に合う外構』を一緒に考え、丁寧にかたちにしていくことを大切にしています「fuurintei」です

今回のテーマは

『空き家を再生する力 ― 工務店によるリフォームとリガーデンの可能性』

近年、社会問題として注目されている「空き家問題」

少子高齢化や人口減少に伴い、全国で年々増え続けている空き家は、管理不足による劣化や景観の悪化、防犯面でのリスクなど、地域社会にさまざまな課題を生み出しています

一方で、その空き家を「壊す」のではなく「活かす」取り組みも進んでいます

その中心的な役割を担っているのが、地域に根ざした工務店や建築会社です

彼らは空き家を購入し、建物のリフォームと合わせて外構のリガーデンを行うことで、再び価値ある住まいとして再生させています


空き家をそのままにしておくリスク

空き家は放置されると、

  • 建物や外構の老朽化が進み倒壊リスクが高まる

  • 庭の雑草や樹木が繁茂して景観を損なう

  • 不法侵入や不審火など防犯・防災の面で問題を抱える
    といった多くのリスクを伴い結果的に「地域全体の資産価値の低下」につながることも少なくありません


工務店が手がけるリフォームとリガーデン

工務店や建築会社が空き家を購入する場合、内装や水回りといったリフォームはもちろんですが、外構の「リガーデン」も欠かせない要素です

リガーデンを行うことで、

  • 老朽化した門壁やフェンスを撤去し、安全性を確保

  • 使い勝手の悪かったアプローチや駐車場を整備し、現代の暮らしに合った動線に

  • 人工芝や植栽でお庭を整え、管理しやすく快適な空間に

  • 照明や外観デザインを刷新し、資産価値を高める

といった「見た目」「使いやすさ」「安心感」を総合的に向上させることができます

リガーデンにかかるコストについて

リガーデンは、新築外構と比べて「既存のものをどう扱うか」で費用が大きく変わるのが特徴です

① 撤去費用がかかる

古い門壁やブロック塀、カーポートなどを撤去する場合、その分の工事費が新築時には無かった「追加コスト」として発生します

特に鉄筋コンクリートの塀や基礎は解体・処分に手間がかかるため、想定以上の費用になることもあります

② 再利用でコストダウンも可能

既存のブロック塀やアプローチ、植栽などを一部活かせる場合は、解体を減らせる分だけ費用を抑えることができます

「全部壊してゼロから」ではなく、「使えるものは残す」という計画が、リガーデンのコストを抑えるコツです

③ 新築よりも柔軟な計画ができる

リガーデンは予算に応じて、

  • まずは撤去と最低限の整備だけ

  • 後から植栽や照明を追加する段階施工といった柔軟な進め方ができます

    最初にすべてを完成させる新築外構より、コストを分散できるのもメリットです

④ 空き家再生としての投資効果

空き家をリガーデンする場合は「売却しやすくする」「賃貸物件として活かす」など資産価値向上の面でも効果があります

単なる費用ではなく、将来的なリターンを見込める投資と考えることもできます

工務店・建築会社が手がける空き家リフォーム+リガーデンのコスト面

① まとめて仕入れ・施工するためコスト削減が可能

  • 一般の施主が個別に依頼する場合と違い、工務店は 職人や資材の仕入れルート を持っています

  • 外構材(ブロック、フェンス、カーポートなど)も業者価格で仕入れ可能なため、材料費は抑えられる傾向にあります

  • 内装リフォームと外構リガーデンを一括発注できるので、工期短縮や諸経費の節約にもつながります

② 物件購入価格+改修費用のバランス

  • 空き家は土地・建物込みで相場より安く仕入れできる場合が多いですが、

    • 老朽化した門壁やカーポートの撤去費用

    • インフラ(水道・排水・電気)の改修費用がかかるため、想定以上にコストが増えるケースもあります

  • ただし、古い構造物をすべて解体して更地からやり直すより、活かせる部分を選んでリフォーム・リガーデンする方が安く済むことが多いです

③ 資産価値を上げる投資効果

  • 内装リフォームだけでは「見た目の印象」が弱いですが、外構を整えることで 販売価格や賃貸成約率が大きく上がる 傾向があります

  • 特に駐車場整備や人工芝・フェンスなどは 買い手がすぐに使えるメリット になるため、投資効果が高いリガーデン要素です

  • 結果的に、購入+リフォーム+リガーデンの総額<販売価格・賃料収入 となるケースも少なくありません

④ コストシミュレーションの目安

  • 空き家購入:1,000万前後(地域・築年数による)

  • リフォーム(内装+水回り):500~1,000万

  • 外構リガーデン:100~500万

空き家再生 ― 自ら購入するか、再生済みを購入するか

空き家を活用する方法には大きく分けて2つあります。

  1. 自ら空き家を探して購入 → リフォーム・リガーデンを依頼する方法

  2. 工務店や建築会社が再生した物件を購入する方法

それぞれにメリット・デメリットがあり、目的や予算に応じた選択が求められます


自ら空き家を探してリフォーム・リガーデンする場合

メリット

  • 自由度が高い:間取り変更や外構デザインまで、自分のライフスタイルに合わせた計画が可能

  • コストコントロール:解体や外構の一部をDIYしたり、段階的に施工を進めるなど柔軟に調整できる

  • 資産価値の上乗せ余地:購入価格を安く抑えられれば、改修後に大きな資産価値上昇が見込める

デメリット

  • リスクが大きい:建物の老朽化や地盤状況など、購入前に見えない問題が潜んでいる場合がある

  • 専門知識が必要:リフォーム・リガーデンに関する知識がなければ、余計な工事費がかさむ可能性がある

  • 工期が読みにくい:設計・解体・施工を一から段取りするため、入居まで時間がかかることが多い


工務店や建築会社が再生済みの物件を購入する場合

メリット

  • 即入居が可能:リフォーム・リガーデン済みなので、購入後すぐに快適に暮らせる

  • 品質・安全性が確保されている:専門業者が施工しているため、構造・設備・外構ともに基準を満たした安心感がある

  • 資産価値が安定:外構も整備されているため、売却や賃貸時の印象が良く、資産価値が落ちにくい

  • 手間がかからない:物件探しから施工会社の選定、工事管理までの負担を軽減できる

デメリット

  • 自由度が低い:リフォーム・リガーデンの仕様はあらかじめ決まっているため、好みに完全に合わせることは難しい

  • 価格が割高になる場合がある:再生コストが販売価格に上乗せされているため、個人で工事を行うより高額になる可能性がある

  • “一点もの”感が薄れる:仕様やデザインが標準化されているケースもあり、オリジナリティを求める方には物足りない場合がある


再生済みの物件を購入するのも“あり”という選択

最近では、工務店や建築会社が空き家を購入し、リフォームやリガーデンを施してから販売するケースが増えています

内装だけでなく外構もしっかり整えられているため、購入後すぐに快適な暮らしを始められるのが大きな魅力です

新築に比べてコストを抑えながらも、外観やお庭がきれいに整備されているので、資産価値の面でも安心感があります

また、既存の建物や庭を活かしたリガーデンならではの味わいが残っていることも多く、“一点もの”の個性を楽しめる点もメリットです

ライフスタイルに合う住まいを探している方にとっては、こうしたリフォーム・リガーデン済み物件を購入するのも十分“あり”な選択肢といえるでしょう

まとめ

「自ら空き家を購入し、自由にリフォーム・リガーデンする方法」は自由度とコスト調整の余地がある反面、リスクや手間も大きいのが特徴です

一方で、「工務店や建築会社が再生済み物件を購入する方法」は安心・スピード・資産価値の安定が強みですが、自由度や価格面での柔軟性に欠ける点もあります

つまり、

  • 手間をかけても理想を追求したい方 → 自ら購入・再生

  • 安心と即入居、資産性を重視したい方 → 再生済み物件を購入

という選び方が適しています