台形地は使いづらい――
一見そう感じる方も多いかもしれません
敷地の形が整っていないと、駐車スペースやアプローチの動線計画が難しく、
どうしても“使いにくそう”という印象を持たれがちです
しかし、今回の現場ではその「台形」という個性をデザインとして活かし、
一見すると整形地のように見える、バランスの取れた外構が完成しました
門壁の角度やアプローチのラインを巧みに設計することで、
自然な動線と奥行きを感じられる住まいに仕上がっています
■ 計画のポイント
今回の敷地は、道路との取り合いや角度の異なる境界線を持つ「台形型の土地」
限られたスペースの中で「車の出し入れがしやすいこと」「玄関までの動線が自然で美しいこと」「生活スペースが快適であること」
この3つの軸を大切にし、使いやすさとデザイン性の両立を目指しました
■ 駐車スペースと高低差の設計
敷地の南側には3台分の駐車スペースを確保
地盤の高さを調整しながら、駐車スペースから玄関へと自然な流れでつながるよう、緩やかな洗い出しのアプローチを設計しています
カーポートには YKK AP「エフルージュ FIRST600」 を採用
フラットな屋根ラインとシンプルなフレームが、建物のブラック外観と美しく調和しています
屋根材はアースブルーを選び、直射日光をやわらげながらも重くなりすぎない印象に
アプローチ部分を「洗い出し仕上げ」にすることで
滑りにくさと安全性
玄関までの歩行動線は、雨の日にも滑りにくい素材が理想です
洗い出し仕上げは表面に砂利の粒が現れるため、
見た目に自然でありながらも、適度な凹凸で滑り止め効果が得られます
とは言え雨の日に慌てて走ると滑って転倒する可能性はあるので慌てずに…
デザイン性・高級感
土間コンクリートに比べて、表情が豊かで高級感が出るのが特長
玄関まわりや門柱前など「人を迎える場所」に使うことで、住宅全体の印象がワンランク上に見えます
色味や骨材(砂利)の選定によって、ナチュラルにもモダンにも演出可能です
空間の区分け
駐車スペースとの仕上げを変えることで、「ここは車のゾーン」「ここは人のゾーン」という機能的な区分が明確になります
見た目のアクセントとしても効果的で、平面構成にリズムが生まれます
■ 門まわりデザイン
門壁は高さ約1.7mの塗り壁仕上げ
シックなダークグレーで統一し、建物の外壁とトーンを合わせることで一体感を演出しました
今回門壁を敷地に対して少し角度をつけて配置しました
その為、視覚効果によって空間に“流れ”と“奥行き”が生まれます
玄関に対して真正面からドンと構えるよりも、やや斜めに振ることでアプローチの動線が自然に誘導され、
来客を“迎え入れる”ような柔らかい印象になるよう施工しました
表札・ポスト・照明をコンパクトにまとめ、機能性を保ちつつもシンプルで洗練された印象に
照明には LIXIL「LGW85115U」 を採用し、夜には柔らかな灯りが門壁を照らし出します
昼と夜で異なる表情を楽しめるのも、この外構の魅力です
門壁横には自転車などを一時的に置けるスペースも確保し、「暮らしの中で使いやすい」動線をしっかり考えた配置となっています
■ アプローチ・階段まわり
駐車場と玄関の間には高低差があるため、階段を設置
TOYO「ドゥーステップ(400角)+フリップベース(下地)」で仕上げ、建物とのバランスを重視したシンプルなステップ構成としています
階段横には植栽スペースを設けることで、硬い印象になりがちな階段まわりに柔らかさをプラス
季節の草花や低木を組み合わせることで、訪れるたびに変化を感じられるアプローチに仕上げています。
■ フェンス・ウッドデッキまわり
道路からの視線をやわらげるため、目隠しフェンスにエコモックフェンスオリジナルを採用
色味もブラウンにすることでブラックの外壁に自然な温もりを添えています
庭側にはウッドデッキが設置されているので、室内からフラットに出入りでき、洗濯物干しやちょっとしたくつろぎスペースとしても使いやすい仕様です
庭部分は、今回は下地となる整地までを施工
今後はお施主様ご自身の手で芝生を張り、育てていく予定です
あえて完成形を決めず“手をかけながら育てていく庭”とすることで、季節の変化や成長を身近に感じられる空間となりました
■ 物置
敷地の一番奥には、イナバ物置「FS-2215S」を設置しました
家の形状や隣地との距離を考慮すると、どうしても“使いづらいデッドスペース”になりやすい位置ですが、
あえてこの場所に物置を配置することで、敷地の隅々まで有効活用しています
季節用品やアウトドア用品など、屋外で使うものをすっきり収納できるスペースとしています
物置下は土間コンクリートでしっかり施工し、周囲は防草シート+砂利で整え、排水性と清潔感を確保
見た目にもすっきりとした裏庭空間となりました
使用頻度の低いものを収納するには最適な位置ですが、湿気や夜間の明るさなども考慮し、通気・照明の工夫を取り入れることで、
“敷地の隅まで心地よく使える”暮らしやすい設計となっています
■ 全体まとめ
台形という一見扱いづらい敷地条件も、視点を変えればデザインのチャンス
高低差を段階的に活かし、素材と配置を丁寧に整えることで、「機能的で暮らしやすい」だけでなく「印象的で美しい」外構が完成しました
毎日の動線が快適で、見るたびに気持ちが整うような心地よい空間
敷地条件を問わず、家と人の“ちょうどいい距離感”をデザインする楓林庭ならではの一邸です
当社では、多治見・土岐・瑞浪エリアを中心にお客様の要望に寄り添ったご提案、 エクステリアに関するご相談を無料で承っていますのでお気軽にご相談ください お電話でのお問い合わせ 0572-23-2058(9時-17時) 現場に出ていることが多く、お電話にすぐ出られないことがあります。
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